心と思考

子どもや人の行動を変えたいときは?

5月5日、子供の日ですね!
電車に乗ったり、公園に行ったりすると、
多くの家族連れに会えて、ほっこりとしています。

子どもに注意しているお母さんたちも、
多く目にしました。

子どもに注意したいときは、
子どもの行動を変えたいときですよね。
どの親後さんたちも、
必死にその想いを伝えていると思います。

その状況が、
大人が自分の行動を変えるときに当てはめると、
とても有効だなと思ったのでお伝えします。

この記事を読むと、
大人にも子供にも、
言葉の選択をする価値がわかると思います!

事象例(母親が子どもに注意)

昨日、乗車率90%程の電車に、
立って乗っていたときに、
わたしの前には、
5歳くらいの男の子とお母さんが座っていました。

男の子が、
何度もわたしの洋服を蹴るかのように、
足をぶらぶらさせていました。

そして、お母さんが、
「やめなさい」というたびに、
男の子は毎回やめる。

けれども、
少し経つと、またぶらぶらしはじめ、
お母さんは注意を徐々に強くしていく
を、繰り返していました。


そして、ついに、
「やめなさい」と同時に、
男の子の手を叩いたのです。


その瞬間から、
男の子は二度とぶらぶらをしなくなりました。

お母さんの「やめなさい」という願いは、
達成されました。

男の子は、叩かれた瞬間、
とても驚いた顔をしてフリーズし、
その後は、お母さんの顔を様子伺うように、
何回も覗き込んでいました。

けれども、お母さんは、
スマホに夢中で、
華麗にスルーしていました。

この状況をみて、
わたしは、
お母さんの気持ちもわかるし、
男の子の気持ちもわかるなと、
思いました。

お母さんは、
スマホもしたいし、
なんとか、足ぶらぶらをやめさせたい。

男の子は、
電車が退屈で、
足ぶらぶらが楽しいからやり続けたい。
なぜ、やめないといけないのか、
意味がわからない。

という2人の想いが交差していました。

否定の言葉

この状況から考えると、
やめなさい=禁止の言葉では、
子どもは聞き入れなかったことがわかりました。

おそらく、何回も母親が言っていた、
やめなさいの一言だけでは、
なぜ、やめないといけなかったのか、
理解できていなかったからだと思われます。

徐々に、母親の語気が強くなっていったのを察して、
何でがわからないけれども、
やめないといけないことは、
理解していったようでした。

この状況から
行動を変えるには、
理由を理解してもらったほうが、
分かりやすいのだなと理解しました。

大人の場合

自問自答という形で、
同じようなことをよくしていると思います。

例えば、
やめなさい=夜中にお菓子を食べるのをやめなさい
(晩御飯をしっかり食べた)
として、例をだします。

何回も、夜中にお菓子を食べるのをやめなさい
と自分に言っているにも関わらず、
どうしても誘惑に負けてしまう時ありますよね。

語気を強くしたとしても、
やめれません。

理由を考えてみましょう。

夜、お菓子を食べると、
・生活習慣病になりやすい
・虫歯になる
・翌朝、胃もたれする
・太る

などと、理解できると、
先ほどよりは、やめられる率が高まると思います。

強い否定(暴力)

お母さんが叩いたことで、
男の子の行動はぴたっと止まりました。

痛みで教えることは、
有効だということが、分かります。

子どもの場合、
本当に命が危ないときは、
時には手をだすことが必要だと思います。

けれども、今回の場合は、
その後の行動で、
親の顔色をしきりに窺っていたことを鑑みると、
たたかれた=親に嫌われたくない
のような構図になっていることを感じました。

注意された意図が伝わらず、
親に嫌われたくないがあまりに、
行動を変えたという構図です。

ぶらぶらする<母親からの愛

電車で足をぶらぶらさせることを、
注意された意図が変わってしまったなと、
客観的に思いました。

大人の場合

自分で暴力まではいかないにしても、

食べるのはやめなさい

食べてはいけない

食べたらダメ

食べないと寝れない

に語気が強くなっていくように感じます。

このように、強い否定をすればするほど、
その行動に固執をしていくのは、
皆さん、実体験があると思います。

結果、食べてしまって、
自己嫌悪というパターンになるかもしれませんね。

子ども、大人のどちらのパターンでも、
やめなさいの意図が、
理由を理解していないと、
行動を変えるのは難しいのではないか
と思います。

つぎに、理由ではなく、
否定の言葉を、
肯定の言葉に変えるとどうなるのかを、
考えてみませんか。

言葉を変えてみる

足をぶらぶらさせるのを、やめなさい
と否定語を、肯定語に変えてみてください。

・足をまっすぐにし続けてみて!
・足を広げてみたら?

などのほかに、
足に意識を向けない言葉も考えられます。

・手遊びをしようか!
・これ見てみて!
・しりとりしよう

などと。

子どもの場合、
そんな簡単にはいきませんが、
否定する言葉をかけないだけでも、
自然とぶらぶらするのを、
やめたくなると思いませんか?

大人の場合

お菓子を食べてはいけない

を、肯定するとしたら、

・お菓子を、明日食べてよいよ
・お菓子の変わりに、あったかいお茶を飲まない?
・お菓子、一個なら食べてよいよ
・口がさみしいなら、歌わない?
・お菓子の変わりに、ランニングいく?

など、色んな選択肢をもった、
肯定語がうみだせると思います。

否定語の変わりに、
肯定語を使うだけで、
どれだけ選択の幅が広がるか、
伝わったら嬉しいです。

否定語と肯定語の身体のフィードバック

実際に、
否定語を話していると、
身体も緊張していきます。

実験や想像してみましょう!

同じ行動をしたいのに、
言葉がけで、全くといってよいほど、
印象が変わったと思います。

さいごに

子どもが道路に飛び出したりなど、
危険な目にあう時は、
それを二度と繰り返してほしくないので、
強い否定が必要だと思います。

けれども、それ以外のときは、
否定の言葉を使わずに、
注意をしたほうが、
自分にも、人にも優しいです。

多くの人は幼い時に、
親や先生など大人に、
否定語で、または暴力で、
注意された記憶があるのではないでしょうか?

もしかしたら、
その記憶が今も行動に、
意識的、また無意識に、
制限をもたらしていることもあるかもしれません。
また、わたしも含め、知らぬ間に、
人に制限をもたらすことをしていると思います。

否定語だけでも、
コミュニケーションはとることもできますが、
肯定語だけでも、
コミュニケーションをとることができます。

わたしもまだまだ、
自分にも、人にも、
否定語で話しかけていることも多いです。

あなたがどちらを求めたいか、
身体からの反応も感じながら、
考えていきませんか?

この考え方は、
アレクサンダー・テクニークで学びました。

子どもに対して、
アレクサンダー・テクニークの原理である、
インヒビション(抑制)と、
ディレクション(方向性)を考えました。

否定や暴力ではなく、
まるっと違うことにお誘いするほうが
頭と軸の自由さをそこなわない
と思い記事にしました。

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