身体

座奏 女性らしく、演奏中も足(脚)を閉じて座ってください!

ジェンダーの言葉を使うのは好きではないですが、
思いきって使ってみますね。

女性らしく座るという言葉をきいたとき、
あなたは疑問を感じますか?

わたしは、身体の動かし方、使い方を勉強していくと、
なぜこの座り方が推奨されてきたのか、
疑問に感じるようになりました。

とくに、音楽愛好家の皆さんに、
指導する立場でもあるときに、それを感じます。

女性らしく座るイメージは
両膝をつけて座っていたり、
膝から下を、右や左に流していたりしませんか?

演奏をする上で、
足を閉じては、演奏しにくいと思います。

西洋の文化がとても取り入られている日本。
海外では、女性が足を広げて座っているかたも多いのに、
そこは取り入れなかった。
足を閉じるのは、
古くからの日本の文化なのかしら?とも思います。

けれども、
短いスカートをはいているということは、
影響していそうだなと感じます。

この記事では、
もっと脚も演奏に参加したら、
良い音が出せるかもよ!
ということをお伝えします。

座奏しているとき、脚に意識はある?

座奏しているとき、脚にあなたは意識がありますか?

特に譜読みの段階だと、
背中を曲げて演奏している方が多く、
周りの環境よりも、
楽譜に集中している。

そうなると、より脚に意識はない状態だと思います。

脚があることを思いだすメリットをお伝えします。

脚のメリット① ふんばれない

膝をぴったりとくっつけるときに、
3パターンをよく見かけます。

①膝下を広げている

②かかとも、ぴったりとくっつけている。

③かかとも、ぴったりとくっつけて、
左右のどちらかに流している。

①、②、③の状態で、
膝をぴったりとつけたまま、
立ち上がってみてください。

どうでしょうか?
立ち上がれましたか?

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①は、膝下を広げた間隔に、
途中から広がっていきました。

わたしは、残念ながら立ち上がれませんでした。

②は、おしりが10センチほど、
浮いたあたりで、限界でした。

③は、全く立ち上がれませんでした。

立ち上がると、座奏では、
動きは異なりますが、
座奏のさいに、
ふんばれないことに気がついたと思います。

出したい音が、
エネルギッシュな音だとしたら、
脚をふんばれない状態で、
あなたの欲しい音は出るでしょうか?

脚のメリット② 音の幅が広がる

特に強弱のフォルテが分かりやすので、
実験してみてください。

大きな豊かな響きをもった音を出したいときに、
良い音が出せないのは、
脚のサポートが足りないことも多いです。

座奏の際に、
坐骨を意識して座って、
脚の間隔をいつもより広げてください。

そして、
脛骨(けいこつ 膝下の親指側の骨)や、
踵骨(しょうこつ かかとの骨)や、
足の指も頼りにしてみてください。
それだけでも、音が変化すると思います。

アイコン名を入力

わたしが、経験したことをお話します。

音楽愛好家のオーケストラと、
練習していたときのことです。

イメージを伝えて、
奏法も変えてくださっているのに、
ポテンシャルが発揮されないなと思うときに、
「脚も思い出してください」と、
たった一言を伝えるだけで、
ものすごい良い音が次の瞬間に出てきたことが、
何回もあります。

そして、演奏者も変化を実感する。
そうすると、練習が良い雰囲気になります。

ぜひ試してみてください!

個人的に、
脚を使うことに慣れてくると、
実は小さい音を出すときのほうが、
脚の可能性がたくさんあるのだなと思います。

フォルテより力の発散がしにくい、
ピアノを繊細にするときほど、
身体は活性化されていると思います。

脚を忘れているのは、
どこかを緊張させたり、止めていることになりますから、
身体全体を意識するだけで、
いつもとは異なるピアノが演奏できると思います。

脚のメリット③ 指が楽に動かせる

身体全体が協力しあっているときと、
身体が部分で動いているときとでは、
どちらが演奏しやすいでしょうか?

身体全体が協力しあっているほうが、
演奏もしやすく、演奏の質もあがると思います。

脚に意識がない状態とは、
上半身だけで、
演奏しているといっても良いかもしれません。
椅子と設置している、
お尻にもおそらく意識はないでしょう。

そうすると、意識があるのは、
動かしている指だけかもしれません。

指は身体の末端です。
身体の末端を動かすには、
身体の軸がとても大切だと、
考えたことはあるでしょうか?

木で例えると、
枝は幹があるから生えます。
また幹だけでは、大地に立つことができません。
根が張るから、大地に立ち続けることができます。

人間に置きかえると、
幹は身体の軸
枝は腕
根は脚
と捉えてもよいかもしれません。

いつものあなたの状態にもよりますが、
頭や軸を意識しながら、
脚も意識すると、
指も動かしやすいかもしれません!

これは言葉だけでは難しいので、
ご興味あるかたは、
ぜひTwitterのDMに、ご連絡ください!

座り方の提案

座骨

お尻の下に、手をいれてみてください。
そうすると、骨に触れられると思います。

そこが座骨です。

(正面から見たところ)

その骨を意識して、座ってみてください。

PhotoACより引用

脚の間隔

そのままさくっと立ち上がれるほど、
脚の間隔をとってみてください。

そのくらい脚の間隔があると、
上半身を前後左右に揺らしても、
楽に動き続けられると思います。

膝の方向

膝は、足先と同じ方向を向けてみてください。


ざっくりとですが、
座り方の提案をしてみました!
こんな状態で、座奏をしたらいかがでしょうか?

身体からどんなフィードバックが、
かえってくるでしょうか?

一つの提案なので、
あなたの今までの座り方が間違っている
この座り方が正しいではありません。

けれども、なにかに行き詰まっていたら、
身体からのアプローチも考える
ヒントになればよいなと思っています。

身体全体がしなやかに
動けるなと思ったら、
きっともっと楽しく演奏できると思います。

さいごに

社会の中で生きているわれわれは、
文化の影響を存分に受けています。

日本の文化では、
脚を閉じて座ることが、
女性らしさとされています。

演奏するときに、
あなたが何を求めるかにもよりますが、
脚からのサポートを存分に味わえる、
脚の動かし方も探求するのはいかがでしょうか?

この身体の動かし方や、考え方は、
アレクサンダー・テクニークで学びました。

わたしの発信や、アレクサンダー・テクニークに、
ご興味のある方は、
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