身体

舞台上のお辞儀で、あなたの印象が変わる

指揮者の石﨑真弥奈です。

あなたは、舞台上でのお辞儀は、
どのようにしていますか?

お客様の顔をみることも難しいくらいに、
緊張をしているかもしれません。

別の質問をしますね。
お辞儀をしている時、
自分の身体に興味を持ったことはあるでしょうか?

角度には興味をもったことがある方も多いでしょう。
けれども、身体全体に意識を向けながら、
お辞儀をしているかたは、少ないと思います。

わたし自身、
自分の身体にも意識をむけたお辞儀と、
そうでないでないお辞儀では、
お客様を、音楽や演劇などに惹きつける力や、
その後の演奏の質が変わると経験しました。

この記事で、
お辞儀の身体の動かし方を、
一緒に考えてみましょう!

わたしのお辞儀への思い込み

わたしは身体の勉強をし始める前は、
お辞儀を全く意識したことがありませんでした。

幼い時に、ピアノの発表会に出演するために、
お辞儀の練習をたくさんしたので、
舞台上でのお辞儀は無意識でしていました。

そのお辞儀の習慣とは、

微動だにせず直立して 3秒
お辞儀をして 3秒
微動だにせず直立をして 3秒
と、各々の姿勢をしたら3秒止まるのが、
わたしにとってのお辞儀でした。

ぱっと聞いた感じでは、
一見、礼儀正しそうに感じると思います。

けれども、わたしは、
舞台上で、演奏の直前に、
不必要なほど身体を硬直させていたことに、
あるとき舞台上のお辞儀をしながら気がつきました。

少し想像をしてほしいのですが、
微動だにせず直立をすると、
あなたはどういう姿勢をとるでしょうか?

わたしは、
気をつけの号令をかけられたかのように、
背中をぴんとはり、
肩を後ろにひき、
腕は身体の横にくっつくように、
ひき伸ばしていました。

演奏の直前に、
演奏前の緊張もあいまって、
毎回身体を無意識に硬直させていたと考えると、
恐ろしくなりました。

身体からのフィードバックを、
受けとれたから良かったですが、
身体も精神も、限界に近かったのではないかと推測します。

とっさに、心のなかで、
身体にありがとうと声をかけて、
演奏に入ったのを覚えています。

後日、お辞儀の新しいプランを考えました。

もっと呼吸をしながら、楽に頭をさげ、
お辞儀をする実験にお付き合いください!

ブラン①お辞儀をするときに、動き続けてみよう

微動だにしなかった直立を、
少し動き続けながら、立っていようと
身体に意図を出すことにしました。

今、その場で動けるかたは、
実際に体験してみてください。

解説
実験①だと、
肩を後ろにひき、背骨を縮め、
肋骨の動きを制御していたので、
呼吸が浅くなっていました。

肋骨は少し前下がりなのですが、
それを①では、肋骨を上に後ろに持ち上げていました。


これで、苦しくなった理由が明確になりました。

プラン② 股関節から頭を下げてみよう

お辞儀をするときに、
どこの場所から、
身体がおれると思っているでしょうか?

これも実験をしてみましょう!

プラン③ 頭と背骨も意識する

次は、頭と背骨がひとつのラインになったまま、
お辞儀をしてみましょう。

背骨は、脊椎とよばれ、
身体をささえています。

7つの頚椎
12の胸椎
5つの腰椎
仙骨
尾骨
で構成されています。

その脊椎と頭蓋骨が連動性をもっていると、
身体本来のポテンシャルを発揮する動きをしてくれます。

この頭と脊椎を、1ユニットと考えて、
頭が動いて、脊椎も動いて、股関節から曲がると思うと、

お客様の印象はどう変化するでしょうか?

わたしが行ってきた、
いくつかのプランを提案しました。
どのプランも、身体の動かし方を変えると、
身体全体が連動してきたと思います。

あなたがお客様だとしたら、
ロボット人間のようなカチコチとしたお辞儀と、
新たな動きのプランのゆるやかな、そしてハリをもった動きのお辞儀では、
どちらがお好みでしょうか?

わたしは、後者が好みで、
お辞儀を見て演奏に入っていきやすいなと思います。
そして、お辞儀をとおして、
これから2時間という演奏会の時間を共にする
共演者、お客様を誘ったり、感謝を伝えたいです。

お辞儀、されどお辞儀。
お辞儀ひとつをとってみても千差万別です。
あなたがしたい、お辞儀を探求していきましょう!

さいごに

いくつかの身体の動かし方のプランを、
お辞儀にたてました。

この方法は、
わたしが持っていた身体の習慣を、
自分がダメだ、出来てなかった
などと思わずに、
新たな選択をしてみよう
というものだったと思います。

この身体の動かし方や、考え方は、
アレクサンダー・テクニークで学びました。

自分を否定したり、罰さないからこそ、
新しい選択肢を、興味をもちながら選択していくことを、
わたしは多く学びました。

舞台上で、
「あー、こんなお辞儀をしていたんだ、
わたしはダメだ」と思わずに、
とっさに、
身体を労わり、ありがとうと声をかけて、
本番に望むことを体験したのは、
良いスパイラルに入る習慣が作られてきてるなと思い、
嬉しく感じたのを覚えています。


わたしの発信や、アレクサンダー・テクニークに、
ご興味のある方は、
レッスンやワークショップをすることもありますので、
ぜひTwitterをフォローしていただき、
お待ちくださいませ。