心と思考

良い点数をとりたいとき

良い演奏をしたい
良い点数を取りたい
良いことをしたい
良い人に思われたい


と思うことはありませんか?

これは一見すると、良いことのように感じます。

けれども、それは実は、
歪んだ考え方を、
もたらしているかもしれません。

良いと思っていることが、
あなたや相手の可能性を狭めていることもある
ということを、今回はお伝えします。

アレクサンダー・テクニークの勉強をすすめると、
自分の価値観の洗い出しをすることにもなるので、
自分がいかに狭い視点で
物事をみているかがクリアになり、
愕然とします。

あなたにとって、良いとはなにか?

まず、あなたが良いと思っていることを、
一つ考えてみてください。

考えてくださいましたか?

今回は、
テストで、良い点数を取りたい!
をトピックにしていきます。

良い点数を取る!

そうすると、
良い、高校・大学にはいれる。

良い大学を卒業したから、
良い会社に就職できる。

良い会社に勤めているから、
高学歴で、収入の良い、
性格の良いパートナーと結婚できる。


良いパートナーだから、
頭の良い子供を授かる。
良いお家を買える。


というような
ザ・勝ち組という社会風潮に、
どっぷりはまっていることはありませんか?

女性が結婚しているか否かで、
勝ち組、負け組と分けられる。

良い=勝ち
悪い=負け

の2つの側面だけで見ることにより、
あなたや、相手のの可能性をも狭めています。

なぜ、良い悪いが可能性を狭めるか?

①良い悪いの中間がない。

100点満点の中で、
何点以上が良い点数なのでしょうか?

学校、親、自分との決めごとで、
例えば95点以上が良い点数だとしたら、
それ以上は良く、それ以下は悪いと、
考えられるでしょう。

けれども、
94点だったら、たった1点足りないだけです。

それにも関わらず、
1点の差で、悪い点数をいう価値観に
陥りがちになります。

良い悪いのみの物事の見方で、
その中間がないことに気がつくでしょうか?

色で考えたら分かりやすいです。
白が良い
黒が悪い
とします。

その2つを混ぜたら、グレーになります。
グレーも、薄いグレー、濃いグレーと、
色んな色味があります。

そのグレーの色味が、ここでいう中間です。

②自己否定をする。

94点と95点の1点の差で、
94点の人は、劣っている。
95点の人は、優れている。

になるでしょうか?

上記のような考え方をしている間は、
点数に一喜一憂をしていますので、
点数を自分を同化させていることが
多いのではないでしょうか?


95点なら、自分にオッケーをだせるけれども、
94点なら、自分はダメだと否定する。

物事、結果と同化させている間は、
社会の評価基準が、
自分の価値観になっていることが多いです。

そして、社会の評価基準によって、
自分の評価をします。

その基準より良ければ、
自分を過大評価をし、
悪ければを過小評価し、自己否定をします。

③思考停止をする。

②のような状態ということは、
思考が停止していることが多いと感じます。

点数ではない、物事のことを、
見ているでしょうか?

例えば、
・このテストでは、何を学んだのか?
・テストで興味をもった場所を、もっと調べたい。
・間違えたところは、なにがいけなかったのか?
・次に間違えないようにするには、どうしたらよいのか?
・なんとなくあっていたところは、どこだったか?

などテストをみて、復習をするでしょうか?

おそらく、点数をみて見返さないと思います。

自己否定をしているときは、
・どうせ自分はだめだ。
・わたしは、何をやってもだめだ。


などのように、
次につなげる行動よりも、
自分を罰することをしていると思います。


それでは、思考停止です。

④人への見方も、良い悪いのみの側面になる。

人の見方も、
良い悪いの2方向からの判断になりますので、
受け入れる範囲が狭まります。

自分にとって、良い人・良いもの・良い事柄しか、
受け入れなくなるからです。

相手にとって良い行動が、
あなたにとっては、悪い行動の時もあります。

その度に、その人への愚痴を言っていたら、
きりがありません。
もしかしたら、置かれる環境のなかでは、
あなたの行動のほうが悪いこともあります。

⑤人に優劣をつけている。

良い悪いで判断してしまうと、
自分より優れている人へ、劣等感、
自分より劣っている人ヘは、優越感を、
感じることにも繋がります。

そもそも、
自分より優れている、劣っている人という
ように人と接していると、
あなたの人間としての魅力が半減していきます。

良い悪いの前に、
目の前にいる人を、まるっと認めてほしいです。

赤ちゃんをみて、
泣いている赤ちゃんが悪い子、
泣いていない赤ちゃんが良い子とは、
思わないはずです。

これが出来るから良い子ではなく、
泣いているも、笑っているも関係なく、
赤ちゃんを人間として、受け入れているから、
どんな状況でも大切に、愛おしく思えるのだと思います。

教える立場や、
人へフィードバックする立場にあるとき、
良い悪いにまだまだとらわれているな
と思うことが、多々あります。

自分が良いと考えていることは、
違和感がないのに、
自分が悪いと考えていることは、
違和感を覚え、正そうとする。

相手の可能性を、
自分の良い悪いの価値観で
踏みにじっていることもあると感じた時に、
ぞっとします。

長年連れ添ってきた、
良い悪いのフィルターではなく、
ただただ相手を観察し、
フラットに相手に接すること、
今も修行中です。

良い点数をとるときの、身体の状態は?

①~⑤が思い当たる人にとって、
良い点数を取らなければならない
と思っているときの、
身体の状態は、どんな状態でしょうか?

きっと、緊張していると思います。

リラックスをしてることは、
ほとんどないと思います。

緊張が、
あなたを応援する作用をもたらすこともありますが、
そうでない時もありますよね。

その過度な緊張に気がついたら、
空間を見渡し、四隅をみて、
身体をたこのようにゆらゆらと動かしてみてください。

それだけでも、
あなたの過度な緊張を少しは解くかもしれません。

まとめ

今回は、良いと一見思える思考が、
あなたや、相手の可能性を狭めていることを
お話ししました。

あなたが良いと思っていることを書き出し、
なぜそれが良いと思っているのかを、
洗い出してみてください。

きっと、
思考停止していた状態で、
置かれた環境の価値観に染まっていることも、
多々あると思います。

今度機会がありましたら、
身体の面から、同じトピックについて、
お伝えします。