ボディー・マッピング

指揮者の腕や肘は、痛いのは当たり前?

こんにちは、指揮者の石﨑真弥奈です。

指揮をしていると腕、肘、肩、腰が痛くなったりしますよね。
わたしも、昔は肘、肩、腰がとても痛くてしょうがありませんでした。

アレクサンダー・テクニークを勉強しはじめて、
痛くてどうしようもないことや、
痛すぎて腕をあげられないということはなくなりました。

(※アレクサンダー・テクニークは、
痛みを取る施術ではありませんが、
身体の使い方を変えることで、私は痛みがなくなりました。)

とくに指揮をはじめたばかりの頃は、
指揮に必要な筋肉をつけようと、
たたきや跳ね上げの練習をします。

身体の構造の知識があると、
怪我をしにくく、
身体の動かし方も洗練されていきます。

今回は、肘の骨と、肘の動きの方向性についてお伝えします。

肘を構成する骨は?

なぜ骨と思うかもしれませんが、
身体中に骨があることは誰もが認識しています。

骨がなければ、いくら筋肉があったとしても、
軸となるものがないので動けません。
また、脳、肺、心臓などを守る役目をしています。

骨を認識することによって、
肘の動く方向や、動かせる方向への認識が変化しますので、
骨を意識してみてください。

それでは、肘を形成する骨は、いくつあるでしょうか?

肘を構成する骨は、いくつ?

上腕骨(じょうわんこつ)
橈骨(とうこつ)
尺骨(しゃっこつ)
の3つの骨で構成されています。

(左腕を左から見たところ)


橈骨は、親指側の骨
尺骨は、小指側の骨
です。

あなたはいくつと思っていたでしょうか?
これは間違えて理解していたから、悪いというものではありません。
あっていたから、良いというものでもありません。

大切なことをお伝えします。
もし3つに認識をし直したら、
あなたは、何を感じましたか?
身体から、どのようなフィードバックを得ましたか?

その感じたことが、とても大切です。

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わたしは、肘を構成する骨は2本だと思っていました。
上腕に骨が1本、前腕に骨が1本と、
骨の数を1本少なく、間違えて認識していました。

それまでは、前腕はとても大きな骨がと思っていたので、
前腕への力みが減ったように感じました。

骨を認識したら、
次は関節をみていきましょう。

肘の関節

肘の主な関節は、肘関節(ちゅうかんせつ)です。
または、腕尺関節(わんしゃくかんせつ)と言います。

肘関節(腕尺関節)

(左肘を後ろから見たことろ)

ここで、注目してほしい点は、
上腕骨と尺骨が、蝶番になっていることです。

蝶番関節とは、
ドアやパソコンの蝶番のように一方向のみに動きます。
尺骨の骨の表面が凸曲面で、 上腕骨の凹曲面のくぼみに適合しています。

どの方向に動くのでしょうか?

肘関節の動きの方向は?

屈曲と伸展方向に動きます。

屈曲は、手が上にいく方向の動きです。

伸展は、手が下にいく方向の動きです。

あなたは、なにを感じましたか?
いかがでしたか?

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わたしは、先にお話ししたように、
前腕には骨が1本と思っていたので、
骨が大きいから、より力を使って、
前腕をあげないといけないと思っていました。

肘関節を知って、
尺骨側の力強さを感じることにより、
指揮のたたきがしやすくなりました。

肘関節以外に、肘に関係する関節が後2つあります。

その前に、
肘では屈曲伸展以外に、
他にどんな動きができるか、考えてみてください。

骨があるところには、必ず関節があります。
関節があることで、骨が動けますので、
関節からみていきましょう。

腕橈関節、上橈尺関節

腕橈関節(わんとうかんせつ)
上腕骨と橈骨で構成され、球関節です。
上橈尺関節(じょうとうしゃくかんせつ)
尺骨と橈骨で構成され、車軸関節です。

(左肘を前から見たところ)

腕橈関節の動きの方向は?

屈曲伸展と、
前腕の回内回外をしています。

回内は、手の平を上に向けた状態から、
前腕部をひねって下に向ける動きです。

回外は、手の平を下に向けた状態から、
前腕部をひねって上に向ける動きです。

上橈尺関節の動きの方向は?

腕橈関節ともに、
前腕の回内、回外をする関節です。

屈曲、伸展には関与しません。

回内回外を肘からしているのか、分かりにくい場合

分かりにくかったら、
下に手の平を向けた右手首を、
左の指で握りながら、
回外(手の平を上に)しようとしてみてください。
右手首は、この動きができないことが分かります。

逆に、肘のちょっと下あたりを、触ってみてください。
橈骨が動きについていくと、
回外していることに気がつくと思います。

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わたしは、
手の平を表にしたり裏にしたりするのは、
手首がしていると思っていました。

そのため、動かない場所から、
一生懸命、回内回外をしようとしていたので、
筋肉を痛めることをしていたと理解しました。

この回内回外については、
多くの人が、誤認識している印象をもっています。

さいごに

肘の骨や、動きの方向性を認識するだけでも、
肘や腕の動かし方が変化したのではないでしょうか?

この記事でお伝えしたことは、
ボディーマッピングと言います。

身体の中の地図が整理されてくると、
身体の使い方や、動かし方が洗練されていきます。

次回は、肘の筋肉について、お話ししていきます!

この記事でお伝えしたことは、
アレクサンダー・テクニークで学びました。

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ご興味のある方は、
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