ボディー・マッピング

指揮をするときに、肩甲骨も意識してみる【ボディーマッピング】

指揮をする機会がある方に、
以前の記事で、
・指揮をすると、なぜ腕、肩などが痛くなるのか
・腕の関節はどの方向に動かせるのか

をお伝えしました。

腕の使い方を意識すると、
けがをしにくく、可動域も広がるので、
音楽の表現も伝えやすくなると考えています。

今回は、腕の土台ともいえる、
肩甲骨について、
動きの方向をお伝えします。

肩甲骨は、どんな役割があるか?

肩甲骨は、腕の一部で、
背中の左右にある大きな三角形状の骨です。

肋骨の上に浮いていて、
身体の軸の骨(脊椎)とは直接つながっていません。
脊椎とつながっているのは鎖骨で、
鎖骨と肩甲骨は、肩鎖関節でつながっています。

鎖骨以外は、
筋肉(18種類)が肩甲骨を支えているために、
大きく動かせます。

肩甲骨ができる動き

肩甲骨は、6つの方向に動けます。

下記に、どの方向に動かせるのか、
お伝えしていますので、
実際に肩甲骨を動かせる方は、
行ってみてください。

動かす肩甲骨を、
肩甲骨を動かさないほうの手で、
ふれながらやると分かりやすいです。

身体の状況をみながら、
決して無理はしないでくださいね。

挙上、下制

挙上 肩と肩甲骨を上にあげる動き
   重たいものを持ち上げる動き
   
   作用している主な筋肉は、
   僧帽筋上部繊維
   肩甲挙筋
   大菱形筋
   小菱形筋

下制 肩と肩甲骨を下にさげる動き
   
   作用している主な筋肉は、
   小胸筋
   僧帽筋下部繊維

外転(前突)、内転(後退)

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外転 ひじを曲げて、手を前に出す動き(パンチの動き)
   
   作用している主な筋肉は、
   前鋸筋
   小胸筋
   僧帽筋上部線維

内転 物を自分のほうへ、ひっぱる動き

   作用している主な筋肉は、
   僧帽筋中部繊維
   大菱形筋
   小菱形筋

上方回旋、下方回旋

上方回旋 自分より高い場所に、手をのばす動き

   作用している主な筋肉は、
   僧帽筋上部繊維
   僧帽筋下部繊維
   前鋸筋

下方回旋 気をつけする動き

   作用している主な筋肉は、
   肩甲挙筋
   大菱形筋
   僧帽筋下部繊維
   小胸筋

いかがでしょうか?

肩甲骨は、6方向に動かすことができることを、
具体的に意識されると、
肩甲骨の可動域や、動き方など、
なにか変化ありましたか?

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わたしの場合は、
腕がそもそも肩関節(肩甲上腕関節)から
だと思っていたので、
腕の土台がないまま、腕を使っていました。

その結果、
肩甲骨が行う動きを、
前腕が懸命にフォローしていたようです。

常時、肩に痛みがあったのですが、
肩甲骨を意識すると、
身体の構造に伴った動きになるので、
楽に動かせるようになりました。

わたしは、
特に下方回旋が新鮮な動きでした。
指揮におきかえると、
下に腕をおろす=打点を示すときに、
身体に負荷をかけていたようです。

認識していなかった肩甲骨が、
ほぼ動いておらず、
とてもショックを受けた記憶があります。

方向性をもって身体を動かす練習を、
一緒にしていきましょう。

指揮をされているとき、
腕を上下、左右、前後に、
動かしている思います。

肩甲骨を意識しながら、腕を動かしたら、
どんな感じなのか、
または、どんな表現になりそうか、
など実験してみてください。


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