コロナ禍や、様々な事情で、
演奏会場(ホール)で演奏をするのが、
何年ぶり、何か月ぶりということもあると思います。
久々のホールに、ワクワクもしますが、
緊張感に苛まれることもあるでしょう。
普段、練習している場所が、
ホールよりとても小さな場所だとしたら、
環境の違いに驚くことも多々あると思います。
アレクサンダー・テクニークの知識と私の経験から、
空間の認識などをすることで、
ホールからサポートしてもらう方法をお伝えします。
何をするために、ホールにいるのかを認識する
演奏会当日に、
演奏をするために、
ホールにいることは、
認識をされていると思います。
しかし、それを丁寧にそれをしてみてください。
どのくらい丁寧にかというと、
あなたのアイデンティティを含めて、
行うということです。
私の名前は、〇〇
私の身長は、〇〇
私の性別は、〇〇
私の職業は、〇〇
私の趣味は、〇〇
私の性格は、〇〇
私はの今の感情は、〇〇
などなど。
それらの中の質問として、
私は、〇〇をしにきました。
私は、〇〇をするために、ここにいる。
と考えると
あなた独自の答えが、浮かぶと思います。
ホールにいて、演奏をするよりも、
その場にいることが、明確になります。
それをすることで、
ホールや演奏会を受け入れる準備が出来ました。
空間を認識する
ホールの空間をどう認識しているでしょうか?
ホールをイメージして、少し考えてみてください。
演奏する場所
演奏者がいる場所
お客様がいる場所
など、様々な方向を意識されているのではないかと思います。
その空間を認識するだけで、
音の出し方や、聴こえ方など変化します。
おそらく、今イメージされた時に、
360度の全方向を認識していらっしゃる方は、
素晴らしい空間の認識力をお持ちです。
それでは、実験をしてみます。
今、あなたがいる場所で、
空間の認識をしたいと思います。
前をみて、後ろもみる。
そして、左をみて、右もみる。
また、上をみて、下もみる。
これを組み合わせると、
部屋の空間を、全方向認識したことになります。
・部屋の中にいる方は、
本棚や、机などで止まらず、
その後ろにある壁まで意識されたでしょうか?
・電車の中にいる方は、
乗っている車両の隅から、隅までを、
意識されたでしょうか?
もしこの質問に、何か気付きがあるようなら、
空間をもう一度、意識してみてください。
見ているつもりでも、
認識しきれていないことも多々あります。
いつもより、遠くまで意識する必要があるかもしれませんね。
ホールで360度の空間を認識したり、
あなたが、ホールのどこにいるかを意識することで、
身体が自ずと変化します。
その変化に、はじめは驚くと思いますが、
その違和感も楽しむと、
ホールと打ち解けられるようになります。
今を意識する
ホールで演奏をする時に、
過度な緊張をしている時は、
今ではないどこかに旅をしていることが多いと思います。
演奏している時、
久しぶりのホールの響きに、ワクワクしているならば、
今、ホールと音のキャッチボールを楽しんでいるでしょう。
過度な緊張しているのであれば、
ホールや、音楽、人に飲み込まれていることになります。
そのような時、失敗や恐怖に思考が向いていませんか?
それであれば、
思う通りに演奏できなかったらどうしようという恐怖
失敗してしまった過去
に、思考がもっていかれ、
今という場所に、自分がいないことになります。
ホールを擬人化するとしたら、
私のことなんか、どうでも良いのね。
話を聞いてくれないのね。
みたいな感じではないでしょうか?
ホールはいつでも、
あなたを受け入れようとしてくれているにも関わらず、
かわいそうです。
ホールからのサポートをいただくためにも、
今の自分に注目をしてください。
久々の演奏会が、楽しい時間になりますように!