前回は、
マラソンの練習中に、
右膝を痛めたことから気がついた、
膝の認識についてお話ししました。
動きの要約すると、
膝関節を誤認識していたため、
太い骨である脛骨ではなく、
腓骨側(外側)に体重が逃げるクセがある
という動きに気がつきました。
膝が腓骨側にいくということは、
腓骨の声を代弁すると、
「もうこれ以上、重たいのは無理だから、
体重を乗せないでほしい!」
という状況です。
その為、足首を固めて、
体重の負荷をカバーしていた模様です。
膝をスムーズに動かすには、
足の関節が重要だということが、
見えてきましたので、
今回は、それについてお話しします。
足首の可動域
固めているのに気がついたのは、
走り終わった後のストレッチで、
足首の可動域が、左右でとても異なっていたことからです。
足の背屈(足のつま先を足の甲に曲げる動き)をしたところ
右足は、元気よく上まで上がる
左足は、右足の半分も上がらない
という状況でした。
足首の背屈は、0~20度の可動域があります。
ここで、どうやら足首のマッピングを、
間違って認識しているのではないかと、
気がつきました。
足首のマッピングを、一緒にしていきましょう。
足首には、2つの関節がある
足首(足関節)は、
とても複雑な動きを伴います。
まず、関節を形成している骨を見ていきましょう。
![](https://mayanaishizaki.com/wp-content/uploads/2023/03/大腿骨-7-1024x1024.png)
脛骨(けいこつ)
腓骨(ひこつ)
距骨(きょこつ)
踵骨(しょうこつ)
から構成されています。
踵骨の上に、
距骨という骨があることが重要です。
5年ほど前まで、
わたしもこの骨があることを知らず、
踵骨がとても大きいと思っていました。
今回よりも、さらに制限をかける、
動かし方をしていました。
実際に動かしてみてください。
●距骨があると考えて、足首を動かす
●距骨がないと思って、足首を動かす
何かに気がつかれましたか?
違う動き方、異なった感覚を覚えたと思います。
①距腿関節(きょたいかんせつ)
距腿関節は、
距骨と脛骨と腓骨が連結しています。
動きは、
底屈 45度
背屈 20度
です。
関節の種類は、
蝶番関節(ちょうばんかんせつ)で、
ノートパソコンを開け閉めするような関節です。
![](https://mayanaishizaki.com/wp-content/uploads/2023/03/大腿骨-8-1024x1024.png)
②距骨化関節(きょこつかかんせつ)
もうひとつ大切な関節は、
距骨下関節です。
距骨と踵骨を結合させる関節です。
動きは、
外転 10度
内転 20度
回外 30度
回内 20度
です。
関節の種類は、
顆状関節(かじょうかんせつ)で、
関節頭が楕円形、関節窩がこれに対応したくぼみになっていて、
お互いにはまり込む関節のことをいいます。
![](https://mayanaishizaki.com/wp-content/uploads/2023/03/大腿骨-9-1024x1024.png)
これで、やっと底屈をする動きの関節は、
距腿関節であることが分かりました。
距腿関節を、
ゆっくりと動かしていくことによって、
可動域が変動しました。
実際に動かしてみてください。
わたしは、踵骨あたりで、
曲げようとしていたので、
曲げられない骨を、
一生懸命動かそうと思っていたようです。
あなたが距骨を認識していなかったら、
足首の下の方で回していたかもしれません。
わたしは、
思っているよりも、
わりと上のほうにある関節というのが、
今回のわたしの気付きでした。
足首は2階建て構造
2種類の関節をご紹介しました。
距腿関節
距骨下関節
これにより、足首は2階建て構造になっていたと、
マッピングがクリアになったのではないでしょうか。
そして、
距腿関節が、底屈や背屈をしていて、
距骨下関節が、外転内転、内旋外旋をしている。
動き方が違う関節があるからこそ、
可動のバリエーションがあることに気がつかれたと思います。
わたしの足首の可能性
足首の関節のボディーマッピングを
丁寧にブラッシュアップしたことによって、
脛骨に体重をかけることに、
怖さを感じなくなりました。
むしろ脛骨に乗りたいとすら思えるほどに。
そうすると、底屈をするときに、
自然と足の指先も動きが柔軟になっていくことに、
気がつきました。
どこかをすごく固めていると、
そのあたり全体に影響を及ぼすということが、
とてもわかりますね。
次回は、足の指先について、
お話ししていきます。